Scope 1 の定義

スコープ(Scope=範囲)1、スコープ2,スコープ3とは、国際的な算定報告基準、「GHGプロトロル事業者排出量算定報告基準」(以下GHGプロトコルと表記)で定義されたもので、CDPやSBTiまたはその他の企業の環境データを求める国際的なイニシアチブでも共通で使われている概念です。

出典:サプライチェーン排出量全般 | グリーン・バリューチェーンプラットフォーム | 環境省 (env.go.jp)

GHGプロトコルではスコープ1を以下のように定義しています。

以下引用----

スコープ 1:温室効果ガスの直接排出 事業者は、自らが所有または管理する排出源からの温室効果ガスの排出を、スコープ1として報告する。温室効果ガスの直接排出は主に、事業者が行う以下の活動から生じる。

・電気、熱、蒸気の製造:固定の排出源、例えばボイラー、炉、タービンにおける燃料の燃焼から排出される。

・物理的、化学的な工程:セメント、アルミニウム、アジピン酸、アンモニアの製造や廃棄物の処理の過程で排出されることが多い。

・原材料、製品、廃棄物、及び従業員の輸送:事業者が所有/管理する移動燃焼源(トラック、列車、船舶、飛行機、バス、及び自動車)から排出される。

・漏洩排出:意図的、非意図的な漏出であり、設備の連結部、封印部、パッキンやガスケットからの漏出や、炭鉱メタンや換気部からの排出、冷蔵設備や空調設備の使用時のHFC(ハイドロフルオロカーボン)の排出、及びガス輸送時のメタンの漏出などがある。

---- 引用終わり

出典:GHGプロトコル 事業者排出量算定基準 改訂版 日本語訳  

参考:環境省 経済産業省 「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン ver.2.6」  2024年3月改訂

算定方法

スコープ 1 算定について、ここではGHGプロトコルと日本の「温室効果ガス排出量 算定・報告・公表制度」(SHK制度)との違いを示しつつ、算出方法の考え方を詳しく解説したガイドライン「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン」に沿って説明します。また、同ガイドラインに従い、算定方法の詳細は「温室効果ガス排出量算定・報告マニュアル」を参考にしました。

一般的なスコープ1の算定の仕方は以下の通りです。

実際のマニュアルには燃料の種類別に、「使用量」、「単位発熱量」、「排出係数」、「CO2重量比の44/12」をひとつながりに乗じる計算式が掲載されていますが、CO2排出量にどのように変換されるのか、考え方が解り易いよう、式を2つに分けました。燃料の使用量から一度、J(ジュール)に熱量換算するのがポイントです。

①    燃料の使用記録又は購入記録から、スコープ1に該当する、自社の操業時に使用する燃料の使用量データを燃料別に使用記録又は購入記録から用意します。

②    自社の操業時に使用する燃料の量(リットル)を種別に把握し、燃料に準じた単位発熱量を乗じて、発熱量を算出します。単位発熱量は「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン」などに掲載されています。

燃料の種類ごとの発熱量  = 燃料の種類ごとの使用量 × 燃料の種類ごとの単位発熱量

(GJ)                              (t, kl, 千m3 )                           (GJ/t,  GJ/kl,  GJ/千m3)

燃料ごとの発熱量に、燃料ごとの炭素係数を乗じて、炭素排出量を出し、さらに44/12というCO2重量比を乗じてCO2排出量を出します。炭素係数を乗じただけでは、CO2排出量にならないことに留意してください。燃料ごとの炭素係数は「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン」などに掲載されています。

燃料ごとのCO2排出量 = 燃料ごとの発熱量 × 燃料ごと炭素排出係数 × 44/12

(tCO2)                           (GJ)                           (tC/GJ)  

燃料種別に算出したCO2排出量をすべて合算して、スコープ1のCO2排出量とします。

参考:環境省 経済産業省 「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン ver.2.6」  2024年3月改訂