「脱炭素経営」とは

「脱炭素」という言葉も「経営」という言葉も、それぞれ既に広く認知されていますから「脱炭素経営」と聞いて思い浮かべるものは、人それぞれ違うものでしょう。しかし、環境省がこの言葉を定義付けているのはご存じでしょうか? 

環境省は企業の脱炭素経営の総合情報をまとめたプラットフォーム「グリーン・バリューチェーンプラットフォーム」の中で、「脱炭素経営」を「気候変動対策(≒脱炭素)の視点を織り込んだ企業経営のこと」と定義付けており、脱炭素経営に向けた取り組みの柱として具体的にTCFD、SBT、RE100の3つを挙げています。 

さらに環境省は脱炭素経営の詳細な手順までも伝えています。本稿では環境省の掲げる「脱炭素経営」の全体像を整理してみたいと思います。 

出典:脱炭素経営とは - グリーン・バリューチェーンプラットフォーム | 環境省 (env.go.jp) 

脱炭素経営の手順 

 脱炭素をテーマに情報が集められている環境省のウェブサイト「脱炭素ポータル」の中に、「脱炭素経営の手順とは?」というトピックスがあります。そこでは脱炭素経営の手順を以下のように説明しています。 

フェーズ⓪:「なぜ脱炭素経営に取り組む必要があるか?」を認識する  

フェーズ①:事業に影響を与える気候関連リスク・機会の把握  

フェーズ②-1:サプライチェーン排出量の算定 

フェーズ②-2:排出削減目標の設定 

フェーズ③:排出削減計画の策定 

フェーズ④:削減対策の実行、並行して、脱炭素を前提とした事業遂行 

そしてフェーズ①~④を繰り返すことを奨励しています。 

出典:脱炭素経営の手順とは? - トピックス - 脱炭素ポータル|環境省 (env.go.jp) 

脱炭素経営のメリットとは

では、このような脱炭素経営に取り組むメリットにはどのようなものがあるのでしょうか? 

環境省は中小企業向けに発行している脱炭素経営に関するハンドブック等の中で、そのメリットを以下のように説明しています。中小企業向けとはいえ、大企業にも当てはまるかと思います。(以下、抜粋) 

  1. 優位性の構築 

他社より早く取り込むことで、「脱炭素が進んでいる企業」や「先進的な企業」という良いイメージを獲得できます。 

  1. 光熱費・燃料費の低減 

年々高騰する原材料費の対策にも。企業の業種によっては光熱費が半分近く削減できることもあります。 

  1. 知名度・認知度向上 

環境に対する先進的な取組がメディアに取り上げられることも。お問い合わせが増えることで売上の増加も見込めます。 

  1. 社員のモチベーション・人材獲得力向上 

自社の社会貢献は社員のモチベーションにつながります。また、サステナブルな企業へ従事したい社員数は年々増加しています。 

  1. 好条件での資金調達 

企業の長期的な期待値を測る指標として、脱炭素の取組が重要指標化しています。 

出典:中小企業規模事業向けの脱炭素経営導入ハンドブック Ver.1.0 

000114653.pdf (env.go.jp)

環境省が挙げたこれらのメリットの他にも、温室効果ガス削減のための製品の開発の機会や取引先と協働する機会の創出、大企業にとってはESG投資の呼び込みなど様々なメリットが考えられます。

中小企業向け脱炭素経営の情報

大企業だけでなく中小企業にとっても脱炭素経営は重要な課題になりつつあります。環境省の「脱炭素ポータル」のトピックスに、2023年9月にアップされた「中小規模事業者様向けの『脱炭素経営のすゝめ』」というタイトルの記事があり、脱炭素経営のメリットと取組方法を説いています。 

また、本稿の「脱炭素経営のメリット」の章で引用した「中小企業規模事業向けの脱炭素経営導入ハンドブック」をはじめ、最新かつ有意義な情報が掲載されています。特に資料「中小企業等のカーボンニュートラル支援策」(2023年4月)には、具体的な支援策別の窓口が紹介されています。 

参考:中小規模事業者様向けの『脱炭素経営のすゝめ』 - トピックス - 脱炭素ポータル|環境省 (env.go.jp) 

参考:中小企業等のカーボンニュートラル支援策(2024年5月) 

pamphlet2022fy01.pdf (meti.go.jp)