COPとは
数ある国連の条約の中にUNFCCC(United Nations Framework Convention on Climate Changes)国連気候変動枠組条約があります。1994年に発効された条約で、気候システムへの危険な人間の干渉を防ぐことを究極の目的とし、現在、日本を含む198ヶ国(197の国家と1地域)が批准しています。その批准国をParties締約国と呼んでいます。
この条約の最高意思決定機関がCOP(Conference of the Parties)締約国会議です。条約の締約国であるすべての国は、COPに代表として出席し、COPおよびCOPが採択するその他の法的文書の実施を審査し、制度的および行政上の取り決めを含む条約の効果的な実施を促進するために必要な決定を下します。国連の他の条約にもCOPはありますが、本稿ではUNFCCのCOPについて説明します。
COPの重要なタスクは、各締約国が提出した国別報告書及び排出インベントリ(大気中に放出された温室効果ガスの量を計算したもの)のレビューです。COPはこの情報に基づき、締約国がとった対策の効果と、条約の究極的な目的を達成するための進捗状況を評価します。
COPは国連気候変動枠組条約が発効された翌年の1995年から定期的に開催されています。2024年は29回目となるCOP29がアゼルバイジャンで開催される予定です。
参考:UNFCCCウェブサイト
About the secretariat | UNFCCCz
Status of Ratification of the Convention | UNFCCC (UNFCCCの批准国について)
京都議定書
1997年、京都で行われたCOP3で採択されたのが京都議定書(Kyoto Protocol)です。先進国各国に個別の温室効果ガス削減の目標が定められました。先進国には2008年から2012年の間に、1990年比で5.2%の削減がもとめられました。国や地域によって違い、日本の目標は6%と定められました。一方、開発途上国への目標設定はありませんでした。
また、削減を容易にするために「京都メカニズム」と呼ばれる規定も定められました。具体的には、先進国が開発途上国に技術や資金などの支援を行い、温室効果ガス排出量を削減、または温室効果ガスの吸収量を増幅させた場合、その削減量の一部を先進国の温室効果ガス排出量の削減分に算入できる「クリーン開発メカニズム」、排出割当量の一部を炭素クレジットとして取引することができる「排出量取引」や、先進国同士が共同で削減事業を行い、その削減量を分ける「共同実施」です。
京都議定書は採択から多くの議論を経て、55ヶ国以上の締結という発効条件が満たされた2005年に発効されました。日本は2002年6月に締結しました。日本は、第1期(2008年~2012年)の目標を達成することが出来ましたが、途上国に対して不参加を認めないことなどを不服とし、次の期間(2013年~2020年)は不参加となりました。
参考:WWFジャパン 京都議定書とは?合意内容とその後について
参考:外務省 2000年12月 京都議定書に関する日本の立場
外務省: 京都議定書に関する日本の立場 (mofa.go.jp)
パリ協定へ
京都議定書の後継として採択されたのがパリ協定(Paris Agreement)です。
パリ協定は以下のような世界共通の長期目標で、2015年パリで開催されたCOP21で196の締約国によって採択され、2016年に発効されました。日本も同年に締結しました。
・世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする
・そのため、できるかぎり早く世界の温室効果ガス排出量をピークアウトし、21世紀後半には、温室効果ガス排出量と(森林などによる)吸収量のバランスをとる
出典:経済産業省資源エネルギー庁 いまさら聞けない「パリ協定」~何が決まったのか?私たちは何をすべきか?
今さら聞けない「パリ協定」 ~何が決まったのか?私たちは何をすべきか?~|広報特集|資源エネルギー庁 (meti.go.jp)
また、UNFCCCウェブサイトのパリ協定のページによると、締約国各国はNationally Determined Contributions (NDCs) 「国ごとに決定する貢献」と呼ばれる5年ごとの削減計画・目標を提出し、対策を実施することが求められています。
NDCには温室ガス排出量を削減するための行動だけでなく、気候変動の影響に適応するためのレジリエンス(回復力)を構築ための行動を織り込むことが求められています。
出典:UNFCCC The Paris Agreement
参考:経済産業省資源エネルギー庁 あらためて振り返る、「COP26」(前編)~「COP 」ってそもそもどんな会議?
あらためて振り返る、「COP26」(前編)~「COP」ってそもそもどんな会議?|スペシャルコンテンツ|資源エネルギー庁 (meti.go.jp)
参考:環境省 脱炭素ポータル トピックス COPってなに?気候変動の関するCOPを紹介
COP(コップ)ってなに? 気候変動に関するCOPを紹介 - トピックス - 脱炭素ポータル|環境省 (env.go.jp)
カーボンニュートラルへ
2019年のCOP25の時点では、121ヶ国がカーボンニュートラルを表明していました。その後、日本でもカーボンニュートラルへの動きが高まり、日本政府は2020年10月に、カーボンニュートラル宣言を行いました。
COP 26時点では、G20のすべての国を含む150ヶ国以上が達成年を明示したカーボンニュートラル目標を掲げています。
出典:経済産業省 資源エネルギー庁 あらためて振り返る、「COP26」(後編)~交渉ポイントと日本が果たした役割
あらためて振り返る、「COP26」(後編)~交渉ポイントと日本が果たした役割|スペシャルコンテンツ|資源エネルギー庁 (meti.go.jp)
COP26の開催前に日本は前年のカーボンニュートラル宣言に沿ったNDCsを提出しています。日本を含め各国の最新のNDCの内容は下記のUNFCCCのウェブサイトで確認できます。
参考:UNFCCC Nationally Determined Contributions Registry
