CDPは、環境関連情報の開示を求める投資家によって企業に回答が要請されるものなので、日本の場合、対象は全ての東証プライム上場企業ということになります。CDPからプライム上場企業に送られる質問票のことを完全版、または投資家要請版と呼びます。また、投資家要請版の回答依頼を受けた企業は有料でCDPの回答に参加することになります。

「サプライチェーンプログラム」

CDPにはTier-1(一次サプライヤー)から仕入れた部品等の製造に係る排出量を把握するために「サプライチェーンプログラム」というプログラムがあります。

「サプライチェーンプログラム」に参加すると、その企業のTier-1にサプライチェーン・モジュールと呼ばれる質問票と、完全版より質問数が少ない簡易版の質問票がCDPを通して送られます。サプライチェーン・モジュールには、その上位企業に納めている部品の製造時のCO2排出量に関する質問があります。「サプライチェーンプログラム」に参加している企業から簡易版の質問票の回答依頼を受けた場合、回答費用は無料です。

サプライチェーン・モジュールの質問票には自社のスコープ1、スコープ2,スコープ3を要請元の上位企業に納品した分に合わせて按分する質問があります。例えば、スコープ2の按分の方法は生産工場のスコープ2を上位企業に納品した製品の重量比で按分するという方法などがあります。それらの回答は、CDPによって集計され、そのまま一次データとしてサプライチェーンプログラムに参加している要請元の企業のScope 3へ組み入れられます。

複数の「サプライチェーンプログラム」に参加しているプライム上場企業のTier-1となっている場合、複数の企業からサプライチェーン・モジュールを受け取ることになります。

また、Tier-1の企業がプライム上場企業の場合は、上位企業からのサプライチェーン・モジュールと(簡易版ではなく)完全版、両方の質問票が届きます。

中小企業がCDPから回答要請を受け取る可能性は低い

このようにサプライチェーンプログラムに参加している企業のTier1でない限り、中小企業がCDPを回答する機会はなさそうです。ただし、中小企業でも、どうしてもCDPに回答したい場合は有料で、完全版の質問票に自主回答をすることが出来ます。ただし、スコアリングはありません。

 自動車業界では、いすゞ、トヨタ、日産、三菱、ホンダが「サプライチェーンプログラム」に参加しています(2022年)。完全版も簡易版も業界によって、質問は異なります。

 尚、CDPの要綱は頻繁に変わるので、年毎にCDPのウェブサイトを確認することをお勧めいたします。

参考:CDP サプライチェーンモジュールについて 2023年5月

参考:CDP簡易版について 2023年5月